県民共済住宅 外構工事の失敗

県民共済住宅では提携した外構工事業者を紹介してくれるのですが我が家では近所の外構業者と相見積もりをして安い方にしたのですがこれが大失敗でした。 失敗の経緯をまとめています。なお工事は2006年のものです。

 

 外構工事の見積もり

まずは県民共済指定の外構業者から外構工事の見積もりを頂きました。 我が家は敷地一杯に家を建てているので工事をするエリアは限られ、主なところでは下記の3か所に分類されます。 1)玄関周り(これは必須です) 2)車庫 3)その他(道路に接する部分) 指定の業者と事前に打ち合わせた内容での見積もりは総額88万円でした。 予算は100万円取っているのですが外構工事のエリアも狭く特別なこともしていないので勝手ながら60万円位ではないかと思っていました(根拠はまるで無し) 県民共済指定業者は安いと思っていたのですが本当に安いのか疑問がわいてきました。 そこで、相見積もりをすることに。 県民共済指定の業者(A社)には上記の1)と2)の部分をそれぞれに分けて見積もりを再度提出してもらい相見積もりとして近所の業者(E社)にはA社の図面を見せ同じ内容で見積もりしてもらうよう依頼しました。 さて、県民共済指定の外構業者の見積もりは安いのでしょうか?

 相見積もりの結果

結果はなんとE社の方が安かったのです。 具体的な金額は(見積り時の条件は同じ) 1)玄関部分 A社:39万円   E社:32万円(差額7万円) 2)車庫部分 A社:41万円   E社:34万円(差額7万円)

玄関、車庫両方ともE社の方が安く総額で14万円は大きい。 A社の方には色々相談に乗って頂いてあり難いのですが申し訳ありませんが発注はE社にさせて頂くことにしました。 同じくらいの金額もしくは2万円位の差ならA社にしようと思っていましたがここまで差があるとしょうがないですね。 外構工事の場合、家本体に関わる部分ではないので単純に安い方にしてしまうバイアスがかかります。もしかしたらE社がとても安すぎるのかもしれませんから一概に 『埼玉県民共済の提携業者は安くない!!』 とは言い切れないと思いますが我が家の場合はこういった結果になりました。

ですが、ただ安ければ良い。この判断を後に後悔することになるのです。

 進まない外構工事

一言でいえばE社はとてもいい加減。工事を始めたと思ったら途中で数週間停滞。まず玄関から工事してもらったのですがこの状態で3週間進みません。

カーポートの鉄筋の配置をした後、3週間進展なし。

3週間もあれば外構工事は終わってるんじゃない?

 業者の言い訳

(E社)『いや~今年は雨が多くってね,思うように工事が進まなくてすみませんね。』 この理由は納得できます。雨が降って工事が出来ないのはしょうがないでしょう。 更に (E社)『設備が決まらないとこれ以上は進められないんだよね~。』 この理由も納得できます。 この時点でカーポートでは車の前に付ける伸縮の門扉が、玄関では玄関門扉が決まっていませんでした。 カーポートの伸縮門扉はこういったやつです。(カタログの写真です)

そこで,カーポートの門扉は10月9日にE社を訪問して仕様を決めました。そして門扉のポールの建てる位置も以前に決めていたのでカーポート側の仕様は全て決まったはず。 (E社)『今日はメーカーも休み(当日は体育の日でした)なので明日確認して発注しますね。』と言ったのです。

玄関門扉はまだ決まっていなかったのですがこれでカーポート側はしばらくすれば工事が始まるであろうと思っていました。 ところが・・・1週間たっても始まらないのでE社へ電話してみました。 10月19日の朝の事です。 すると, (E社)『まだ,玄関側の門扉が決まらないから出来ないですよ。』 (私)『えっ,この前はもう発注するって言ったじゃない,まだ発注してないのですか?』 (E社)『ええ,発注していません。(キッパリ)玄関側が決まらないと出来ないんですよ。』 そんな馬鹿な。だって,カーポートの門扉の位置はココにするって私と妻とあんたの3人で立ち会って決めたじゃない。 (私)『以前,フェンスの位置は決めましたよね,それでも出来ないのですか?』 (E社)『だから,玄関側が決まらないと出来ないんです。(大きな声で半分キレ気味)』

だめだこりゃ,話にならない。 完全に以前の打合せを忘れていやがる。 これはもう,こちらが弱みを見せてはいけないと思い,あらかじめ妻と打合せて決めてあった玄関側の仕様を電話で伝え 『この仕様でお願いします。あと,この仕様での見積りを持ってきてください。』 と伝えました。 すると昼間,E社は寸法をとりに我が家に来たのです。 何を今更寸法を確認しているのでしょう!私たちが設備を決めればすぐにでも出来るような言いっぷりだったくせに。 そして,見積りも夜の8時になってやっと持ってきました。 昼間,慌てて一生懸命作ったのがミエミエです。 このままでは終わりません。

 嘘をつく業者

玄関側の仕様も決め材料の入荷に1週間ほどかかるとの事だったので1週間は待ちました。 1週間後・・・工事始まらず。 もう1週間だけ待ってやるかと思い我慢・・・まだ始まらず。。。 我慢できなくなりE社へ電話。すると奥さんが出ました。 仕様を決めて2週間も経つのに何故工事が始まらないのか問い詰めると 『特注の製品ですので入荷に時間が掛かっています。』との事。 特注品???カタログから選んだんだけど。 そう切替すと 『すみません,社長がいないと詳しい事が判りませんので。』 『失礼ですが奥様ですよね。奥様も仕様を決めた時に同席していましたよね。』と更に詰め寄ると何と応えたと思います。 『私は事務員ですので分かりません。』 『奥様ではないのですか??』 『はい,事務員です。』 どうみても声が奥さんでしょう。それに何度か事務所に行っているけど社長と奥さん以外に見た事もないし事務員を雇うほどの業者ではないだろう。 明らかなウソ。特注品のウソといい事務員のウソといい信頼関係は崩壊(既に信頼してなかったけど) これ以上話しても意味が無いので 『社長が帰ったら直ぐに電話下さい。』と伝えて電話を切りました。

 やっと工事再開

後日、社長から電話があり『それじゃ~来週,工事を始めますよ。』 何だよ,材料入荷しているんじゃないか。単なる業者の都合で工事を遅らせていただけじゃないか。 更に社長 『でも,雨がふると工事が出来るかわからないんだよね~。』 またそんな事を言って工事をしない言い訳を・・・ このとき,会社の机に座っていたのですかさずパソコンを使いネットで来週の天気をチェック。 『社長,大丈夫です!来週はずっと雨降りません。降水確率20%以下です。それじゃー来週の月曜から工事できますよね。』 社長『そうですか,それじゃあ来週から・・・』 ここまでやってやっと工事を開始しました。いやいや疲れる。。。 玄関の工事は予定通り進み完成したのが着工から3ケ月後。その間、玄関は不便だし車はカーポートへ入れられないし(近所の駐車場を借りていたので余分な出費)散々な目にあいました。

 最終見積もりで大幅アップ

工事は遅いけど請求書が来るのは早いそんなE社、請求書の見積り額は93万7千円。 当初の見積りは60万円代でした。 そのあと,追加した項目もあるのでその分のアップはしょうがないのですが明らかに初期の見積りがずさんであった事もわかりました。 例えば門扉。ディズニーシリーズにすることは工事前から指定していたのですがろくに寸法も測らずに一番安い仕様での見積もりを提示するなど。 もちろん,仕様変更になり価格アップしています。 さすがにE社とのやり取りに疲れてきたので請求書の細部をチェックする気力はありませんでした。 ですが,最後に一発値引き交渉をしないと気がおさまらない。 『当初の予算から大幅にオーバーしているので予算が厳しくもう少し下げられませんか』 E社 『これでも目一杯安くしているんだよね。』(ウソ付け)と思いつつ 『そこを何とか~』 『じゃあ,93万円で良いよ。』 言ってみるもんですね、7千円安くなった。 更にこの勢いで 『西側にも砂利を入れて欲しいんですけど。。。』 サービスで北側の庭に砂利を入れてくれてたのですがついでに西側にも入れて欲しいと要求 すると 『あんたねあれもこれもって分けには行かないんだよ。』 (半分切れ気味) 『そうですよね,はい分かりました。』 まあ,言ってみただけですから。 これでやっとE社とも関わりあわなくてすむ。

外構工事大失敗の教訓

今回の一連の外構工事の大失敗の原因は簡単で単に見積もりの安さに目がくらんだってこと。 私は今まで安いものが良いと思っていました。 基本的には今も変わりありませんが家作りなどの人がかかわる時には相手の人柄も見抜く目も持たないといけないと感じました。 電気製品のような工業製品は工場で作るものを買うので単に安いものが良い,しかし外構工事や家作りのように人との信頼関係が重要になるものは値段以外に人と人の繋がりも重視しなくてはいけないと思います。 外構工事などは一度手を付けると(工事を始めると)他の業者は保障の問題から工事を引き受けてはくれません。いうなれば着工した者勝ち。 今回の場合は我が家はこういった足元を見られた気がします。 業者の都合のいいときに工事を進めるといった事になり結果,3け月も外構工事に時間が掛かる。終わってみれば良い勉強をしたと思います。

 後日談:E社の倒産

数年後、E社は倒産しました。あんないい加減な工事をしているようでは当然といえば当然。今思えば資金繰りが厳しかったのかもしれません。そう考えると施工前に前金でお金を払っておかなくて良かった。施工途中に計画倒産なんて最悪のパターンもあったかもしれません。