県民共済住宅について

 改めて県民共済住宅について紹介したいと思います。なお、仕様や価格などは我が家の新築時(2006年)当時のものですので現状とは合わない部分もあると思いますので参考までにしてください。

県民共済住宅がローコスト住宅のわけ

 県民共済住宅の特徴を一言で言うと『ローコスト住宅なのに品質がいい』といえます。ではどれくらいローコストなのか?

 ずばり坪単価 31万8千円(税込み;33万3900円)
坪単価で比べる場合,何処までが坪単価に含まれるのか,どの工事,設備がオプション扱いなのかに注意しなくてはなりませんが一言で言うならば

通常のハウスメーカーの言う坪単価は;家は建つけれど生活は出来ないレベル。
県民共済住宅の場合;標準仕様だけでも暮らせてしまえるレベル。

と言う感じですね。では何故,ローコストを実現できるのか?

利益を追求していない

 民間企業ではあるまじき事ですが県民共済住宅では利益を追求しません。
そうでないとこの価格は実現できないのでしょう。

営業経費をかけない(営業マンがいない)

 大手のハウスメーカーが大々的に行っているテレビCMやモデルハウスもありません。もちろん営業マンもいません。

 これらの費用は莫大な金額になります。モデルハウスの建設,維持運営費は営業マンの人件費を含めると億単位の金額が必要になるようです。

 これらの家そのものに掛かるお金ではない費用を誰が負担しているのでしょうか・・・
もちろん,契約者である施主の私達です。

 一般に,これらの営業費用はハウスメーカーの利益分と合わせて請け負い金額の40%に当たると言われています。例えば,3000万円の契約をしたとしたら1200万円から1500万円は家の建設以外の事に使われるのです。

 私はこんな事には我慢できません。3000万円の家を作ったつもりでも実際には1500万円の価値しかない家なんて・・・

(余談)
実際に,私も大手の桧○住宅で35坪の家を見積もりしてもらったところ概算で2200万円の見積もり。同条件で埼玉県民共済住宅で見積もりを取ったところ1380万円の見積もり。

県民共済住宅が利益分が無い事を考えると桧○住宅の利益分は37%。契約金額の40%=ハウスメーカーの利益分+営業費用 というのもあながち外れていないと思います。

建築資材の大量一括発注

 以外と知られていませんが県民共済住宅の埼玉県内での施工実績は第2位なのです。このスケールメリットを生かして木材などの建築資材だけでなくサッシ,ドアキッチン等の設備も大量発注を行いコストを下げています。

丸投げをしない

 大手のハウスメーカーが実際に行っているような下請け,孫請けへの丸投げを行っていません。各工事ごとに材料を支給する材工分離による手間請け発注方式を採用し,各職人も厳選されています。

 うわさでは,県民共済住宅ではクレームを繰り返す職人には発注を取りやめていくので腕のいい職人しかいないそうです。

県民共済住宅の仕様

 県民共済の仕様を紹介します。(大雑把に・・・)

構造材;檜4寸柱(無垢材)
基礎;ベタ基礎(基礎幅15cm,基礎の高さ 地盤面より45cm)
屋根材;瓦
断熱;グラスウール

 断熱に関しては外断熱にしたかったのだけど費用対効果を考えると埼玉県ではグラスウールの内断熱で妥協しました。

 その他,普通の工務店ハウスメーカーでは別途支払いになっているが県民共済では坪単価に含まれているものとして県民共済住宅に決める前に交渉したC工務店と比較しています。

1)設計・諸経費,確認申請費用
 たしか,C工務店と打ち合わせしたときは30万円くらいとなっていましたね。

2)2Fトイレ
 C工務店ではオプションで18万円

3)バルコニー(2坪まで)
 バルコニーまで標準となっているのは聞いた事ない。
 ちなみに,C工務店のバルコニー単価は7万円/m2でした。
 仮に、2坪(6.6m2)のバルコニーを作ると46万2千円。

4)エアコン2台
 エアコン2台が標準とはかなり嬉しい!

5)洗面室のエコカラット
 エコカラットが標準とは珍しいです。

これから詳しい打合せをしていくと『これも標準なの』というものが出てきそうです。

県民共済住宅のデメリット

土地を用意する

県民共済住宅では土地の斡旋をしてくれませんので土地は自分で探して購入する事になります。元々土地を持っている人は関係ありませんがそうでない人には大きな壁になるかもしれません。
土地選びを楽しめるような性分で時間もある方にはあまり気にすることはないと思います。ちなみに私は市有地の公売で土地を購入しました。

施主がすること多い

打ち合わせをする場合、ハウスメーカーの営業マンが自宅に来てくれるのですが営業マンがいない県民共済住宅では自らが出向かないといけません。打ち合わせは一回で終わることはありませんので自宅が県民共済住宅から遠いとつらいと思います。
ちなみに私は契約までに設計士との打ち合わせを9回行いました。

間取りに関しても叩き台は設計士が作ってくれますが細かなところは自分たちから提案しないとありふれた家になります。施主自らが家について勉強する気持ちがあった方が良いです。設計士によるのでしょうが大手ハウスメーカーのように細かいところまで提案してくれるわけではありません。

埼玉県民で無いと作ってくれないの?

 残念ながら県民共済住宅の条件は

1)埼玉県民共済に加入して
2)埼玉県内に建てる事

が大前提になっていますので埼玉県民のみと考えていいでしょう。

 しかし,埼玉県民共済に加入していれば群馬県の一部(埼玉県側)でも建設した人もいるようですので一概に埼玉県民だけというわけでもなさそうです。(不確かな情報です)

 是非,他の都道県民共済でも住宅を建てて欲しいものです。県民共済住宅のような成功例があるのですから。

設計段階ではオプションを使わせたがらない

 設計士さんと打合せをしているとなるべく,オプションは使わせたくないような雰囲気があります。よくよく,話を聞いてみると

 県民共済住宅では安く供給するために設備を大量発注しています。県下でも1,2位の施工実績のある県民共済住宅ですのでメーカーも他では考えられない値段で卸してくれるそうです。

 すなわち,大量の在庫を常に抱えているのでこれらを早く償却しなければいけない。
一般の会社でも,大量に在庫を抱えると在庫は資産(お金)なので資産が循環しなければ会社は倒産してしまいます。

 そういった理由で,設計士さんに対しても標準品を勧めるように指導があるそうです。標準品を使わせるために,標準仕様だけでも十分に暮らせる設備を準備してありますが,やはり全部標準仕様だけという人は少数だそうです。

株式会社 県民共済住宅

 県民共済住宅は元々は埼玉県民共済の住宅部として事業を行っていました。2008年4月から施工された生協法の改正によって,

『共済契約者の保護として共済事業の元受を行っている生協は,共済以外の事業を生協本体で行う事は禁止』

 となった事を受けて埼玉県民共済が100%出資する完全子会社『株式会社 埼玉県民共済住宅』を設立して事業を引き継ぐ事になったようです。

 良く分からないけど法律改正に対応した事なのでしょう。新会社では8月1日から事業を開始し新規の受注もアフターサービスも対応するとの事。また,利益を追求しない経営理念も変わらぬ事なので安心しました。

 株式会社化に伴いリフォーム事業も手掛けることになったようです。リフォーム業者って信頼していいのか分からないので県民共済住宅でリフォームもしてくれるとなると選択肢が増えて私達としては助かります。

 リフォームの見積りは壁や床を剥がして見ないと分からない部分が多いので見積もりは最大で掛かる費用で算出していると聞いた事があります。

 ですので補修が少なければそれだけ業者の利幅が大きくなる,結構リフォーム事業はおいしい商売だそうです。『県民共済住宅でのリフォーム』なんてブログを20年後に書いているかもしれません。

県民共済 デザイナーズ住宅

 良く言われていることに 『県民共済住宅の家は同じようなデザインの家が多く,個性が無い。』 といった意見を聞きます。

 その通りだと思います。 確かに,車で移動していても『この家は県民共済住宅っぽい』という家を良く見ますね。
 でもこれは仕方ないことで設備,材料を大量購入してコストを下げているわけで購入した材料や設備はいつまでも在庫にしておくわけには行かないので契約者には標準の仕様を勧める。

 実際,私の担当をしてくれた設計士さんのお話です。 ですが最近我が家の近所で県民共済住宅で建てた家があるのですが県民共済っぽくない家なのです。

 他人の家なので写真を載せるわけには行かないので大雑把に説明すると雪国でよく見られるようなとんがった屋根,カラフルなデザインの外壁,玄関ドアも一風変わったデザイン(説明になっていない。。)但し,基礎の御影石は県民と分かるものでした。

 県民共済住宅でもこういった家が出来るのだな~と妙に関心。 設計士さんによるのでしょうね。私の担当してくれた設計士さんではまず無理でしょう。 ですがこのお宅,いくら掛かったのでしょう。大量購入の安い設備や材料を使うから県民価格なのであってこのような家を作った時の単価はいくらなのでしょうか? 人の家の事ながら興味あります。

県民共済住宅以外の埼玉県民共済のサービス

県民共済保険

 私も県民共済保険へ加入しています。というより県民共済保険へ加入していないと県民共済住宅を建てられません

 県民共済保険ですが次の種類があります。
・生命共済
・こども共済
・入院型共済
・熟年型共済

 我が家の場合は私と妻が生命共済、4歳の娘はこども共済へ加入しています。
生命共済の掛金は各2000円、こども共済は1000円なので毎月5000円の保険料を埼玉県民共済へ支払っている事になります。

 結構な出費ですが埼玉県民共済は割戻金制度があるので決算に応じて剰余金を返してくれるのです。ちなみに、生命共済では39.86%,こども共済では39.56%を返還してくれました。(平成17年の実績)

 つまり実質の保険料は生命共済は約1200円、こども共済は600円って事ですね。
生命共済は補償が65歳までしかなく60歳を過ぎると自動的に掛金半分になり補償も半分になってしまいます。65歳ではいかにも不十分ですよね。終身の保険にはならないので注意が必要です。

それと,埼玉県民共済では新型火災共済も扱っていますが私自身この保険が有利なものなのか良く分かりません。新築が終われば火災保険も検討しなくてはならないのでその時にでも考えます。

埼玉県民共済ブライダル

 結婚事業ですね。2000年に私も利用しました。そのときは『80人を招待して1人あたりのお祝いを2万円としておつりが来ます』といった内容でした。

 安いからといって料理が劣るとかドレスが貧相とかいった事はありませんでしたよ。十分満足できました。現在はどうなんでしょう?もっと条件が良くなっているのではないのかな?

オーダースーツ

 埼玉県民共済ではオーダーのスーツを13,800円から作ってくれます。私は既に2着作りました。仕上げにも満足しています。特にブランドに拘らない方なら満足できると思います。

 体が大きく既製品が合わないといった方には特にお勧めです。生地を多く使うからといって追加料金は有りませんから。

成人式用ふりそで販売

 埼玉県民共済では成人式用ふりそでまで販売しています。正絹の高級友禅ふりそでを73,500円だそうです。さすがに,これは利用していませんのでコメントは控えます。

家具

 埼玉県民共済では家具を販売しています。我が家では娘が生まれた時に娘用のタンスを購入しました。しっかりした作りで価格は4万円。

 素人ながらも家具屋で同じようなものをみると8万円ぐらいが多かったと思います。

家電

 埼玉県民共済では家電まで販売しています。正直家電は大手の量販店の方が品揃え、価格ともに優っています。

 わたしも家電は大手の量販店またはネットでの購入が多いです。